▼連日、ニュースといえば関税の話。自称「タリフマン」(関税男)トランプに、「いい加減にしてほしい」と言ってみたくなる。なぜなら、関税といえども税金。それを最終的に払うのは納税者(国民)だからだ
▼本来、税は悪である。なぜなら、人が努力して得た富の一部を奪うからだ。国家=強盗団とする見方がある。マックス・ウェーバーもそう断じている。前者は法律により奪う、後者は暴力により奪うというだけで、富を奪うことには変わりはない。国家が悪政ばかりしていたら、まさしくその通りだろう
▼古来、税金は国民を苦しめ、重税の度が過ぎると反乱や革命が起こった。日本では、一揆である。関税に関しては、大恐慌以後の関税の掛け合いでブロック経済となり、それが結果的に第二次大戦を招いた
▼「苛政(かせい)猛虎」(苛政は虎よりも猛し)ということわざがある。孔子が泰山の側で出会った女性は墓の前で泣き崩れていた。訳を尋ねると、しゅうとと夫と子どもが虎に食い殺されたと言う。そこで、なぜこの地を離れないのかと聞くと、治世が天下一(税金が低い)との答え。現在、日本は「五公五民」。十分、苛政ではないか。