頭部の病完治や健康祈願 熊野で楊枝薬師まつり 三重

【宮本住職(左)に数珠を当ててもらう参拝者ら=熊野市紀和町楊枝の楊枝薬師堂で】

【熊野】頭部の病に御利益があると伝わる三重県熊野市紀和町楊枝の楊枝薬師堂で18日、大祭「楊枝薬師まつり」があり、県内外の約160人が病の完治や健康を祈った。

薬師堂の由来は平安後期にさかのぼる。後白河法皇が頭痛に悩まされる中、熊野川沿いのヤナギで三十三間堂を建てると平癒したため、お礼に堂を建立したとされる。

本堂で営まれた祈祷(きとう)では、祈祷を受ける人が頭や目、耳など治したい部位を記入。宮本亮一住職が般若心経を唱え、合掌する参拝者の頭や肩に数珠を軽く当てていた。

今後1週間、薬師堂が一部をなす「頭痛山平癒寺」で毎日、参拝者に代わり宮本住職が祈祷を続けるという。お札は来週以降に発送し、各家庭の仏壇に1年間供える。

和歌山県新宮市から親子で訪れた自営業の和田素加子さんは「以前ここで祈祷を受けて目まいが改善された。調子良く一年を過ごそうと、久しぶりに来た」と話した。