住民ら「みんなの森」整備 尾鷲、水流改善向け土壌改良 三重

【水流の土壌改良に取り組む参加者ら=尾鷲市九鬼町のみんなの森で】

【尾鷲】持続可能な森林経営を図ろうと、三重県尾鷲市九鬼町の市有林「みんなの森」で10日、専門家を交えた森林整備が始まった。地域住民らが協力し、水流改善に向けた土壌改良に励んでいる。

市によると、約17ヘクタールのみんなの森は、樹齢60年を超えるヒノキやスギの密集地。生物多様性の保全を目的に、市と一般社団法人「ローカルコープ尾鷲」が昨年1月から整備を進めている。

当初は間伐材や草木の枯死が目立ち、熊野灘に注ぐ宮谷川の水脈も泥詰まりを起こしていた。作業員らが少しずつ水底を掘り起こし、本年中に湿地までの全長約800メートルで作業を終える見通し。

この日は、市や紀北町から約40人が参加。環境活動家・坂田昌子さんの指導の下、水流付近の草刈りや倒木の撤去をした後、手作業で泥や小石を取り除き、腐葉土と混ぜて泥土を改良した。

森林整備は12日まで続く。坂田さんは「ここ半年で環境が大きく変わった。食物連鎖が確認でき、目に見えて生物多様性が回復している。この3日間で水流を再生できれば」と話していた。