熊野古道整備に大型ドローン 熊野の山間部で材木輸送

【丸太をつり下げて飛行する大型ドローン=熊野市の山林で】

【熊野】大型ドローンで林業資材を無人輸送する事業が26、27の両日、三重県熊野市の山林で行われた。山越えで直線約400メートルを飛び、熊野古道の整備に使う丸太を傾斜地まで運び上げた。

建築資材販売会社「八尾トーヨー住器」(大阪府)など4社による共同事業で、令和2年から取り組んでいる。林業の人手不足などを踏まえ、従事者の負担軽減や作業の効率化を図るという。

使用したのは、つり下げ式で最大30キロの貨物を運搬できる物流用の機種2台。航続距離は16キロで、同社の操縦士、関本竜三さんは「非常に高性能な機体。大型で安定感もある」と評する。

各社の一等無人航空機操縦士を起点と終点に2人ずつ置いた中継方式を採用した。1回で丸太約3本を持ち上げ、5分半で1往復。2日間で計146本(約1・5トン)を運んだ。丸太は熊野古道で腐食した手すりの修復作業に使われる。

同社の金子真也社長は「ドローンは現場納品の選択肢の一つとして拡大すると思う。省力化の実現に大きく貢献している」と話した。