「子の応援団になって」 教育評論家の親野さん、尾鷲市PTA大会で講演 三重

【保護者に親子関係の育み方を提案する親野さん=尾鷲市中村町の中央公民館で】

【尾鷲】三重県の尾鷲市PTA大会(同連合会主催)が22日、同市中村町の中央公民館であった。教育評論家、親野智可等さん(66)が「叱らなくても子どもは伸びる」と題して講演し、良い親子関係の育み方を提案した。

小中学生の子を持つ市内の保護者ら約70人が聴講した。親野さんは静岡県内の公立小学校で長年教師を務めた経験を基に、著書「子育て365日」など多数執筆。人気漫画「ドラゴン桜」の指南役として知られる。

講演では、体内時計の型などを例に「生まれつきの資質」による得手不得手があると紹介。全ての個性は長所に置き換えられるとした上で、自己否定に陥りやすい叱り方は「成長に対する弊害しかない」と説明した。

叱らない教育の方策として「方法の工夫」を挙げ、難易度を下げて合理化を図ることを提案。相談の多い「宿題をせずに遊びに行く子」には、1文字だけ書かせてみるなど、行動を起こす環境を作る重要性を説いた。

保護者の「こんな子にしたいという願望がギャップを生む」と強調。子どもによる自己決定の度合いが幸福度に比例するとし、良い親子関係を築くため「子どもの監督ではなく、応援団になってほしい」と激励した。