能楽の魅力児童に伝える 伊勢、有緝小で人間国宝の大倉さんら 三重

【児童らに演奏と舞を披露する能楽師ら=伊勢市の有緝小学校で】

【伊勢】三重県伊勢市の有緝小学校で17日、能楽の体験教室が開かれた。能楽の小鼓奏者で人間国宝の大倉源次郎さん(67)ら5人の能楽師が、児童らに能楽の知識や魅力を伝えた。

能楽教室は、公益財団法人岡三加藤文化振興財団の助成を受け、大倉さんと県教育委員会が共催し、県内の小中学校で開いている。

この日は、4年生約80人が参加。大倉さんは、能を大成した観阿弥(かんあみ)が三重出身であることや、能楽がユネスコ無形文化遺産であることを紹介し「三重から生まれ、世界で認められた芸能を知ってほしい。舞台と一緒になって楽しんで」と呼びかけた。能楽師らは、笛や小鼓など4つの楽器の演奏と舞、謡いを披露。それぞれの楽器の特徴や、能面、衣装についても紹介した。

児童らが小鼓や大鼓の打ち方やリズムを教わる場面もあり、最後は、祝いの場で謡われる演目「高砂」の一節を児童らが練習し、能楽師たちの演奏に合わせて謡った。

参加した成川仁香さんは「昔から受け継がれてきたのはすごい。きれいな音色だった」、玉置豪さんは「とても迫力があって、かっこよかった」と話していた。