▼昨年来、オールドメディア対ネットメディア(SNS等)という構図で議論が白熱している。松本人志問題、東京都知事選、兵庫県知事選、中居正広フジテレビ問題などを見ると、新聞、テレビなどのオールドメディアの価値、信ぴょう性が大幅に落ちていることを痛感する
▼そこで、メディアとは何かと考えると、平たく言えば「本当のことを伝えること」ではないか。しかし、この本当のこと、つまり真実が何かがいまわからなくなっている。オールドメディアは、政治圧力、公平性、広告主の意向、プライバシー尊重、ファクトチェックなどの規制に縛られ、真実を伝えられない。逆に、ネットメディアは実質的に無法状態だから、誹謗中傷、デマ、捏造、なんでもありになっている
▼名探偵コナンは「真実はいつも一つ」と言うが、現状はメディア(発信者)の数だけ存在する。そこで、「メディアリテラシー」が重要と言われるが、一般人にそれを求めるのは無理というものだ。AIも発達し、フェイクとリアルの境界もなくなった。ネットの発展で「集合知」が形成されるとされたが、「集合愚」の間違いではないだろうか。