労働組合の役員選挙に介入する不当労働行為をしたとして、三重県の伊賀市は19日、高木忠幸上下水道事業管理者(64)を戒告の懲戒処分とした。高木管理者は31日付で依願退職する見通し。
市によると、高木管理者は令和4年9月に実施された市上下水道部労組の役選で、特定の組合員に立候補を勧めたと思わせる発言をし、他の組合員には立候補を思いとどまらせようとした。
組合の元執行委員長が昨年6月、県労働委に救済を申し立てた。労働委は関係者に対する聞き取りの結果などを踏まえて不当労働行為と認定。今月上旬に組合員への謝罪を命令した。
市は高木管理者の行為が地方公務員法に定める法令順守の義務などに違反したと判断し、処分を決めた。労働委の命令通り、再発防止を誓う謝罪文を市上下水道部の庁舎内に掲示したという。
稲森稔尚市長は「特別職である管理者がこのような事態を引き起こしたことは到底許されず、心からおわびする。組織体質を見直し、信頼回復に取り組む」などとするコメントを出した。