伊勢和紙に家族旅ポートレート 伊勢で写真家田中さん個展 三重

【息子のあるちゃんを撮影した作品と田中さん=伊勢市大世古の伊勢和紙ギャラリーで】

【伊勢】三重県内を中心に活動する写真家田中千穂(ちいほ)さん(35)=愛知県愛西市=の伊勢和紙を使った初個展が、伊勢市大世古の大豊和紙工業伊勢和紙ギャラリーで開かれている。旅先のインドで家族の飾らない表情をとらえた写真を中心に約70点が並ぶ。25日まで。

昨年に家族と訪れた南インドでのポートレートを中心に、伊勢和紙に写し出した。息子あるちゃん(2つ)のあどけない横顔、名物料理をおいしそうに頬張る義母久子(90)さん、「ハウスボート」と呼ばれる船の旅の一幕などが並ぶ。平面作品のほか、和紙を切り貼りした立体的な作品など、和紙をいかした多様な表現で来場者を楽しませている。

田中さんは南伊勢町出身。伊勢市の高校で学んだ学生時代、アマチュア写真家だった祖父のフィルムカメラで撮影したことがきっかけで、写真にのめりこんだ。大学卒業後、県内の写真スタジオで経験を積み、6年前に独立。人物や伊勢の行事などを撮影し、伊勢和紙を使った作品づくりも続けている。

「伊勢和紙は被写体のエネルギーを増してくれる」と田中さん。「母の目線、義娘の目線、家族を想ういろんな視点で見てほしい。家族について考える機会にしてもらえたら」と話していた。

24日正午から、写真展とコラボしたライブ演奏がある。