「夢古道おわせ」巡り、市議が住民訴訟へ 前指定管理者への助成金、市長に返還求める 三重

【尾鷲】三重県の尾鷲市が市総合交流施設「夢古道おわせ」の前指定管理者に交付した光熱水費高騰対策助成金を巡り、西川守哉市議が加藤千速市長を相手取り、市の一般会計への全額返還を求める住民訴訟を起こすことが13日、分かった。14日にも津地裁に提訴する。

訴えによると、市が昨年3月25日付で当時の指定管理者「熊野古道おわせ」に助成金286万8千円を支給したのは、光熱水費を指定管理料の対象外とする年度協定に反するという。不透明な手続きの下、加藤市長が主導し助成したのは違法だと主張する。

西川市議は、市の一般会計への助成金の全額返還を求めた住民監査請求が4月30日に棄却されたことを受け、訴訟を決断。本紙の取材に「市民の税金を返還すべき。今後の注意喚起として(6月の)市長選で当選せずとも、そのまま戦う覚悟がある」と訴えている。

加藤市長は今年3月の市議会定例会で、助成金の支給決定に関して「光熱水費の高騰に影響を受けていると判断した」と説明していた。取材に対し「訴状が届いておらず、コメントできない」とした上で「法的な手続き上の問題はないとの認識でいる」と話した。