海外インフルエンサーをアンバサダーに 三重県、訪日客PRへ委嘱制度 タイのオーパルさん第1号

三重県は12日、SNS(交流サイト)で発信力のある海外の「インフルエンサー」を、インバウンド(訪日客)の呼び込みを図るアンバサダーとして委嘱する制度を設けたと発表した。県内で伸び悩むインバウンドを増やしたい考え。タイで著名なインフルエンサーを、第1号のアンバサダーとして委嘱する。

県によると、海外で著名なインフルエンサーを「ミエインバウンドアンバサダー」として委嘱する。任期は1年だが、再任も可能。原則無報酬とし、撮影費などの負担は協議して決める。

アンバサダーには、インスタグラムなどのSNSを通じて県内の観光地をアピールしてもらう。県が海外で観光地を発信するイベントを開く際には、同席してもらうことも想定している。

第1号はオーパル(本名・パーニサラー・アラヤスックル)さん(43)。インスタグラムで650万人のフォロワーを持つ。俳優や歌手、化粧品ブランドのオーナーとしても活動している。

オーパルさんは伊勢神宮や鳥羽水族館、伊賀流忍者博物館を訪れたこともある。県内の企業とオーパルさんにビジネスで関係があることをきっかけに委嘱が決まった。15日にも委嘱する。

県内では、コロナ禍前の令和元年と比べた外国人宿泊者数の「回復率」が低調。昨年の回復率は都道府県で最下位だった。今年2月時点の回復率も56・0%と、45位にとどまっている。

認知度も低い。都道府県別の認知度に関する公的なデータはないというが、民間の調査では県内の観光地に対する外国人観光客の認知度が5%程度と、大都市の10分の1以下にとどまる。

委嘱するアンバサダーの人数や目標は定めていないが、今後は観光客数が多い近隣のアジア圏に加え、観光消費額が多い欧州などに影響力のあるインフルエンサーへの委嘱を目指している。

海外誘客課は「これまでは海外の旅行会社を中心に観光をアピールしてきたが、一般への浸透が十分でなかった。発信力の高いインフルエンサーの協力を得て認知度を高めたい」としている。