▼いまや多くの仕事が生成AI(人工知能)なしではできなくなった。果たしてAIはどこまで進化するのか? 最近、衝撃を受けたのは、グーグルの元CEOエリック・シュミットの発言だ
▼「次の1年でトップ数学者の知能をAIは獲得する。3―5年でほぼ全ての領域でAIが人間を上回り、AGI(汎用人工知能)が完成する。次の6年でAIは人の手を借りずに進化し、全人類の知能の総和を超える」。シュミットは、シンギュラリティ(技術的特異点)の到来が予想以上に早まるとしているのだ。孫正義ソフトバンク会長も同様なことを言っている
▼そこで、改めて『火の鳥 未来編』(手塚治虫)を読み返して驚いた。物語の時代は3404年。人々は全てを「電子頭脳」に委ねて何一つ判断することなく暮らしていた。食事に何を食べるのかもAIが決めていた。そうしたなか、二つのAIが対立して核戦争が起こってしてしまう
▼こんな作品を1968年に描いていたのだから驚く。以後、AIによる未来ディストピア(反理想郷)は数多く描かれた。本当に未来はこうなるのか? 手塚予想より圧倒的に早くAI時代が訪れるなら、私たちはどうすればいいのか?