農林水産業の課題解決へ人材派遣 伊勢市と「未来の大人応援プロジェクト」が協定 三重

【協定書を手にする鈴木市長(左から2人目)と岸川さん(同3人目)、同法人の岸川政之代表理事(右端)=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県の伊勢市と一般社団法人「未来の大人応援プロジェクト」(同市本町)は、担い手が減少する農林水産業の課題解決に向け、地域活性化起業人制度による人材派遣に関する協定を結んだ。

同制度は、企業などが自治体へ社員を派遣し、専門的な知見をいかしながら地域活性を図る総務省の制度。同法人は、若い世代の人材育成を目的に、高校生がビジネスの手法を使って地域課題を解決する「SBP(ソーシャルビジネスプロジェクト)」と呼ばれる活動を全国の高校などで推進している。相可高校生が運営する高校生レストランの仕掛け人、岸川政之さんが代表理事を務める。

市に派遣されるのは、全国の自治体で人材育成や地方創生のコンサルティングに携わる同法人の職員岸川晃大さん(35)。担い手不足など農林水産業の課題の解決に向け、地元の大学生、高校生らの力をいかして、第一次産業の魅力発信や、高齢化が進む地域の活性化、漁協と連携した取り組みなどを行う。任期は最長3年。

市役所でこのほど、協定の調印式があった。岸川晃大さんは「市の課題をクリアしていく中で、将来を担う若い世代を成長させる機会としたい。それが地域の活性にもつながる」と話した。