AI活用で「効率的に漏水発見できた」 桑名市長が調査結果発表 三重

【記者会見する伊藤市長=桑名市役所で】

【桑名】三重県の桑名市の伊藤徳宇市長は7日の定例記者会見で、AI(人工知能)を活用した漏水調査の結果を発表した。

昨年7―10月、地盤変動、地表面温度などのデータ、口径、延長、施工年度などの水道管データを学習させ、AIによる管路漏水リスク・劣化評価を実施。AIによるリスク評価の結果、リスク評価5(漏水率20%以上)、リスク評価4(漏水率5%以上)の市街地を中心とした地域の一部について路面音聴調査、戸別音聴調査を行った結果、リスク評価5の地点の給水管などで39件、リスク評価4の地点で30件の漏水が見つかった。

市によると、漏水発見効率(1キロあたりの漏水件数)はリスク評価を実施する前の5年間の平均が0・11件だったのに対し、リスク評価後の調査では1・77件と16・1倍となったという。

漏水調査へのAI活用は県内で4例目。効率的に漏水を解消し、有収率低下を抑制、上昇させること、管路診断により劣化度に応じた管路更新を効率的に実施することが目標。デジタル技術を活用して管路の劣化予測、リスク評価をする。

市は調査費用について「市全体を五つのエリアに分け、年平均1300万円の費用で、5年間で市全体の調査を終えていたが、リスク評価導入後は、年間費用は同額で、3年間で市全体の調査を終えられるため、経費を40%程度削減できる見込み」としている。

伊藤市長は「水道管の漏水の問題は全国どの自治体でも大きな課題。AIは全体的には効果的で、効率的に漏水を発見することができた。配水管(本管)の漏水はなかったが、本年度も効率的に調査し、漏水を解消していきたい」と語った。