
インドネシア訪問中の一見勝之三重県知事は六日、現地の大学で「介護人材セミナー」を開き、県内での就労を学生らに呼びかけた。現地政府の保健省も訪れ、人材の受け入れに関する覚書を修正。県内に優先して人材を送り出してもらうことなどを盛り込んだ。
県によると、セミナーは医療福祉大第三ジャカルタ校(ブカシ市)で開催。一見知事が県内の観光地や食などをアピールしたほか、県内の介護施設がブースを設けて職場環境などを紹介した。
セミナーには、学生ら約250人が参加。個別相談では「介護福祉士の資格を取得するに当たり、どのような支援があるか」「働く上で宗教上の配慮があるか」との質問が上がったという。
保健省では、昨年7月に締結していた介護・看護分野の人材育成に関する覚書を修正することで合意。一見知事とユリ・ファリアンティ保健医療人材担当副大臣が、修正後の覚書に署名した。
修正後の覚書には「保健省は県に熟練した保健医療人材を毎年優先的に送り出すよう取り組む」と追記。県が受け入れ環境の整備や介護福祉士の資格取得を支援することなども盛り込んだ。
一見知事は「本年度は人材受け入れの予算を大幅に拡充した」と紹介。ブディ・グナディン・サディキン保健相は「取り組みをさらに進めたい」と述べ、人材の送り出しに意欲を示した。
このほか、特定技能労働者の送り出しを所管する移住労働者保護省も訪問。人材の育成や送り出し、受け入れに関する覚書の締結に向け、双方が議論を続けることで合意した。
一見知事は人材確保や観光誘客などを目的に、5日からインドネシアを訪れている。一見知事のインドネシア訪問は初めて。稲垣昭義議長ら県議5人も5日からインドネシアを訪れている。