伊勢の藤本さんが世界大会初優勝 誰もが楽しめる小型ヨット「ハンザクラス」

【世界大会での優勝トロフィーを手にする藤本さん=伊勢市役所で】

【伊勢】年齢や性別、障害の有無にかかわらず誰もが一緒に楽しめる小型ヨット「ハンザクラス」の世界大会で、伊勢市の藤本結衣さん(23)が初優勝した。

大会は、3月にオーストラリアで開催された「ハンザクラスワールド&インターナショナル チャンピオンシップ」。藤本さんが出場した一人乗りの「ハンザ2・3シングル」部門には、各国から年齢も性別もさまざまな十人がエントリーした。約1週間かけて6レースを競い、着順のポイント合計でトップとなり、同大会出場3回目で初優勝を手にした。

ハンザクラスは、安定性が高く、子どもや高齢者、障害者も、容易に帆を操って帆走できる小型ヨット。藤本さんは名古屋市出身で、福祉関係で働く母の影響で、小学3年生の時に競技を始めた。週末になると、母について伊勢や津市で練習し、高校卒業後は、競技が盛んなオーストラリアに留学。専門学校で語学や保育を学び、現地で保育士の仕事をしながら競技を続けた。昨年6月に帰国して伊勢に移り住み、ハンザクラスの販売や普及に取り組む一般社団法人に勤務。ヨット競技の団体「セイラビリティ伊勢」に所属し、練習と普及活動に力を入れている。

このほど、伊勢市役所で鈴木健一市長を表敬訪問した。藤本さんは「ヨットは自分との戦い。うれしいが、もう少しできることもあったので悔しい気持ちもある。来年も挑戦したい」と大会を振り返った。「ハンザは、年齢や障害の有無、国籍も関係なく、みんなが楽しめるのが魅力。今後もレースを楽しみながら、競技の普及に努めたい」と語った。