
三重県立あけぼの学園高校(伊賀市川東)の存続が危ぶまれているとして、稲森稔尚伊賀市長は30日、同校の存続や「学びのセーフティーネット」の維持を求める要望書を県教委に提出した。
市などによると、伊賀地域では県教委や学校関係者などでつくる高校活性化推進協議会が、五つの高校を対象に再編を含めた協議を進めている。本年度中にも協議の結果を取りまとめる見通し。
一方、県教委の「県立高校活性化計画」は1学年3学級以下の高校を対象に「統合についての協議も行う」と記述していることから、1学年2学級のあけぼの学園高は統合の可能性がある。
要望書は、同校が外国人生徒や不登校傾向の生徒らを積極的に受け入れてきたとした上で「学びのセーフティーネットとして大きな役割を担っている」と強調。同校を存続させるよう求めた。
この日、稲森市長が県庁を訪れ、福永和伸教育長に要望書を提出。「特にあけぼの学園高は、美容や製菓で活性化の成果を上げてきた。大規模な高校になれば、学びの選択肢が奪われる」と訴えた。
福永教育長は中学卒業者の減少により、伊賀地域にある県立高校の学級数が15年後には半減するとの見通しを示した上で「生徒のことを第一に考えて結論を導きたい」と述べた。