伊勢茶の普及「県の責務」 振興条例のたたき台提示、三重県議会特別委

三重県議会の伊勢茶の振興に関する条例策定調査特別委員会(中瀬古初美委員長、10人)は14日、伊勢茶の振興に関する条例(仮称)のたたき台を示した。9月定例月会議での条例案提出を目指す。

たたき台は、伊勢茶の普及と食育の推進を県の責務として明記。伊勢茶を提供する飲食店への支援や伊勢茶の普及に向けた宣伝の強化、輸出の促進などを、県の基本的な施策として定めた。

また、伊勢茶の伝統と文化に関する知見について「あくまで仮の表現」としつつ「伊勢茶学」と表現。「伊勢茶の日」もしくは「伊勢茶月間」や「伊勢茶週間」を設けることも盛り込んだ。

一方、伊勢茶の定義は前回の会議で「三重県産のお茶全般を広く対象とする」との考えで一致していたが、たたき台では「今後、改めて検討することとしたい」との表記にとどめている。

この日の会議では、他県にある「乾杯条例」のように伊勢茶を使って乾杯を促す条文の検討を求める声が上がったほか、伊勢茶の消費拡大につながる具体的な記述を求める声もあった。

特別委は県産茶葉の消費拡大を図ることなどを目的として、昨年5月に設置。県内外の茶農家を視察するなどし、これまでに11回の会議を開いて条例案の制定に向けた検討を進めている。