鳥羽市長選、三つどもえの争い 現新3氏が第一声 市議補選も告示 三重

【(右から届け出順に)小竹篤候補、山本哲也候補、中村欣一郎候補】

【鳥羽】任期満了に伴う三重県の鳥羽市長選は6日、告示された。元市教育長で新人の小竹篤氏(69)=安楽島町=、元市議で新人の山本哲也氏(46)=屋内町、自民党推薦=、現職の中村欣一郎氏(66)=安楽島町、自民党推薦=(届け出順)のいずれも無所属の3氏が立候補し、三つどもえの選挙戦が幕を開けた。投開票は13日。

市長選と同日程で行われる市議補選(欠員2)には、いずれも無所属で新人の倉田正義氏(63)=船津町=、新人の五十嵐ちひろ氏(36)=答志町=、元職の奥村敦氏(69)=池上町=(届け出順)の3氏が立候補した。

投票は市内26カ所の投票所で、13日午前7時から午後6時まで。離島の神島は午前6時半から午後6時まで。開票は午後8時から、市役所西庁舎4階大会議室で行われる。

期日前投票は7日から12日の午前8時半から午後8時まで市役所西庁舎4階第二小会議室で、離島4島は12日午前8時半から午後5時まで島内のコミュニティセンターなどで受け付ける。

4月5日現在の選挙人名簿登録者数は1万4267人(男6666人、女7601人)。

小竹候補「鳥羽の変革やっていく」

小竹候補は午前8時半に鳥羽市大明東町の鳥羽商工会議所で第一声。支持者ら約300人(陣営発表)を前に、鳥羽駅前の再開発など四つの公約を掲げて「鳥羽の変革をやっていく」と訴えた。

公約では最初、駅前廃虚ビル「パールビル」の解体を含めた再開発の推進を主張。駅前の佐田浜地区一帯は「荒廃感がある」とし、防災に努めた上で「稼げる商業施設を入れたい」と述べた。

死亡者が出生者を上回る「自然減」は年間300人超といい、打開策として「子育て世帯の満足度を上げる」と強調。公園再整備やキッズクラブの新設、給食費無償化の継続などを打ち出した。

また、南海トラフ巨大地震に備えて「必要に応じた避難タワーの整備が必要」と指摘。老朽化する水道や交通網の危険性を訴え「災害時を見越した予算を適切に投入していく」と力を込めた。

市教育長などの経験を踏まえ「人のネットワークを使い、鳥羽市を変える基本的な視点を持っている」と強調。現政権に対し「市長が20年かかることを、私は4年でやれる」とけん制した。

山本候補「鳥羽の新しい歴史つくる」

山本候補は午前9時ごろ、鳥羽市鳥羽の選挙事務所前で、県議や市内外の市議らを含めた約200人(主催者発表)の支援者を前に、「皆さんの一票が鳥羽の新しい歴史をつくり、鳥羽の未来を変える一票になる」と支援を呼びかけた。

山本候補は「地域を回ってきた中で、ささいなことから命に関わることまでいろんなことを教えてもらったが、『何でこの声が届かないのか』『何でほったらかしなのか』と思うことがいっぱいあった」と話し、「若い世代だけでなく、お年寄りもみんな『鳥羽を変えてほしい』と言っている」と強調した。

さらに「対話もない市政から、対話とともに皆さんと一緒に考えて実行していく鳥羽に、希望を持てる鳥羽に、もっとわくわくする鳥羽に変えましょう。今こそ、チェンジ」と述べ、「皆さんが山本哲也と書いてくれた一票を、山本哲也にしてよかったと思える一票にしてみせます」と力を込めた。

支援者とともに「ガンバローコールで気勢を上げた後、選挙カーに乗り込み遊説に向かった。

中村候補「豊かな鳥羽をつくりたい」

中村候補は午前8時半ごろ、鳥羽市船津町の選挙事務所で出陣式を開き、約200人(主催者発表)の支持者らを前に「これまでの選挙の中で一番厳しい戦い。皆さんのお力をお借りしたい」と支持を呼び掛けた。

中村候補は「鳥羽市だけで頑張るのではだめだ。周辺市町と一緒になって取り組むことで訴える力が違ってくる。今まで培ってきたものを引き継いでいくべき」と、2期8年で築いた周辺市町との連携の実績を強調した。

争点となる鳥羽駅前周辺のまちづくりについて「各候補とやり方やスピード感が違う。離島に向かうマリンターミナルが駅近くにある。離島の方々の交通の利便性のいい駅前にしたい。バス乗り場などが分かりにくいといった課題も解消する」とし「市民の意見を反映したい」と語った。

「少子高齢化、人口減少はあらがえない波。人口が減少しても豊かな鳥羽を、皆さんとつくりたい」と呼びかけた。

出陣式には近隣市町の首長や県議らが出席。「ガンバローコール」の後、中村候補は選挙カーで遊説に出発した。