
三重県警の難波正樹本部長(51)は28日、離任を前に津市栄町の県警本部で記者会見し、県警での約2年2カ月を「県民の協力をいただきながら、やるべきことはやりきれた」と振り返った。
難波本部長は令和5年に開かれたG7三重・伊勢志摩交通大臣会合などでの警備が印象に残っていると説明。「要人を狙う事件が発生するなど厳しい情勢の中、気を引き締めて臨んだ。県警として安全確保の役割を果たせた」と話した。
「わずかな証拠を積み重ねて解決に至った事案があった。職員の粘り強さや熱意を感じた」と振り返った一方で、警察官を装った特殊詐欺事件が多発していることに「十分な注意喚起ができていない」と述べ、警察の発信力を課題に挙げた。
また、31日付で大阪府警警務部長に就き、万博対策本部副本部長を兼ねることから「万博は期間も長く、要人など大勢の人が入場する。警備の難しさはあると思うが、県警での経験を生かしたい」と話した。
難波本部長は千葉県出身。警察庁長官官房参事官(拉致問題対策担当)などを経て、令和5年1月に県警本部長に就任した。後任には原子力規制庁長官官房安全規制管理官(核セキュリティ担当)の敦澤洋司氏(59)が就任する。