2025年3月18日(火)

▼立場を悪用した性犯罪が、県内で相次いで発覚しているらしい。4日は、生徒へのわいせつ容疑で、元私立校教員の男(49)が再逮捕された。先月は少女への性的暴行で公立中の教諭(42)が逮捕され、未成年の利用者にわいせつな行為をした障害者施設職員の男2人が相次いで逮捕、起訴された

▼身近な人から受ける性被害は他人に相談しづらく、潜在化しやすい。県警によると、昨年認知した性犯罪のうち、不同意性交が前年比15件増の41件、不同意わいせつが同4件減の54件。未成年の被害は計44件で全体の約46%

▼令和5年7月施行の改正刑法で「強制性交罪」「強制わいせつ罪」が「不同意性交罪」「不同意わいせつ罪」に変わり、立場を利用した行為が明文化され、身近な人からの被害はより人に相談しづらくなり、被害者が一人で悩みを抱え込みやすくなったという。周りの人が被害に気付きにくく、被害者が自ら申告するまで発覚しないことも多い

▼県警は性犯罪の被害者が電話で相談できる全国共通の短縮ダイヤル「#8103」の利用を呼びかける。県内で発信すると平日の日中(午前8時半―午後5時15分)は県警の被害者支援室に、土日祝日や夜間は当直の警察官につながる。男女の警察官、臨床心理士などの資格を持つ職員らが対応し、匿名での相談が可能。事件性があると判断すれば担当の警察署に連絡し、被害届の提出などを手伝う

▼カウンセリングや公的な支援を紹介。「相談してきた人を放っておかない。まずは相談を」と呼びかける。