尾鷲甘夏「大きく育って」 地元小学生ら苗木植え 三重

【尾鷲甘夏の苗木を植え付ける児童ら=尾鷲市中村町の市立尾鷲小学校で】

【尾鷲】三重県の尾鷲市立尾鷲小学校の2年生50人が13日、正門脇の畑で尾鷲甘夏の苗植えを体験した。児童らは「大きく育つように」と願い、苗木を丁寧に植え付けた。

市特産の甘夏を次世代に継承しようと、一次産業を学ぶ野外学習「尾鷲育」の一環として初めて実施。市は市制70周年を記念し、市民や学校に苗木を配布している。

この日、市水産農林課の職員が講師を務め、尾鷲甘夏の歴史や特徴を解説。70年前に栽培が始まったことや、農家らはニワトリを飼育していたことなどを紹介した。

植え付けたのは、カラタチを台木とした接ぎ木苗という。児童らは教師が掘った30センチ角の穴に苗木を入れ、1人ずつ手で土をかぶせた後、ホースで水やりしていた。

苗木は3年近くで約2メートルまで成長し、少しずつ実を付け始める。山本馨さん(8つ)は「帰り道に立ち寄って成長を見守りたい。成った実を食べるのが楽しみ」と話した。