飛行機製作に情熱、玉井兄弟の生涯たどる 四日市市立博物館で特別展示 三重

【飛行機に使われたプロペラに見入る来館者=四日市市安島の市立博物館で】

【四日市】飛行機製作に情熱を注ぎ、「日本のライト兄弟」と呼ばれた三重県四日市市出身の玉井清太郎(1892―1917年)、藤一郎(1894―1978年)兄弟の生涯をたどる特別陳列「四日市の生んだ『日本のライト兄弟』玉井兄弟展」が、同市安島の市立博物館で開かれている。5月6日まで。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌平日休館)。入場無料。

玉井兄弟は、現在の同市諏訪栄町で生まれた。兄清太郎は16歳の時に竹とんぼを見て空を飛ぶことに興味を持ち、飛行機の研究を始めた。大正元年に藤一郎とともに上京。同5年に飛行士を養成する「日本飛行学校」を東京・羽田に設立し、同じ年に国産機体での飛行を初めて成功させた。

同館3階常設展内の展覧処「白里亭」と、ロビーの2カ所に分けて展示をしている。実際の飛行機に使われた約100年前のプロペラや、玉井兄弟のおいの玉井勝則さん(84)=津市=から寄付された写真資料、玉井飛行機の再現模型など計約80点が並ぶ。

【飛行機の再現模型】

木製のプロペラは、航空エンジンの研究を続け清太郎の協力者だった友野直二氏の子孫が同館に寄贈したもので、プロペラに「TAMAI」と刻まれた文字を実際に見ることもできる。

同館の森拓也学芸員(72)は「日本の航空界に名を残す兄弟が四日市にいたことを、多くの人に知ってほしい」と話した。