高級ミカンはるぽん収穫、紀宝町の石本果樹園で

【はさみで果実を摘み取る従業員ら=紀宝町井田の石本果樹園で】

【南牟婁郡】三重県紀宝町井田の石本果樹園で27日、春まで完熟させた高級ミカン「はるぽん」の収穫が始まった。贈答用としても人気が高く、4月上旬までに計約2トンの収穫を見込んでいる。

はるぽんは、ハウス栽培で通常1月下旬に収穫する「不知火(しらぬい)」を、1カ月ほど木の上で完熟させたミカン。高糖度の不知火が名乗れる商標名「デコポン」の代わりに同園が10年前に命名した。

はるぽんの専用園地10アールでは、約200本の木を栽培。液肥を流して品質安定に努めている。この日は、従業員3人が完熟度合いや傷の有無を確認しながら、はさみを入れて一つずつ収穫した。

昨夏の寒波などの影響で収量は例年より少ないが、小ぶりな実の色づきや味は上々という。3月1日から「超完熟はるぽん」として、同町鵜殿のミカン直売所か同園ホームページで販売する。

同園の園主、石本慶紀さん(48)は「今年も粒ぞろいや後味の良いはるぽんに仕上がった。手間をかけた分だけ甘みが残っている。多くの方に園のブランドを味わってもらいたい」と話した。