「ヤングケアラー」知って 三重県、子ども向けリーフレット作成

【県が作成したリーフレット=県庁で】

一見勝之三重県知事は26日の定例記者会見で、家族の介護や世話を過度に担っている「ヤングケアラー」に関する子ども向けリーフレットを作成したと発表した。来月中にも県内の小学5、6年生と中学生ら約7万5千人に配布する。

県によると、リーフレットはA4判で4ページ。ヤングケアラーの説明に加えて「幼いきょうだいの世話をしている」「気持ちが不安定な家族の話を聞いている」などの具体例も示した。

「家族を大切に思うことと同じように、自分も大切にしてください」などの呼びかけも掲載。こどもほっとダイヤル=電話0800(200)2555=などの相談窓口も紹介している。

子ども向けリーフレットの作成は初めて。自らがヤングケアラーだと認識してもらい、支援につなげる狙いがある。国の調査に基づく推計では、県内では約4500人にヤングケアラーの可能性がある。

県が昨年11月に小学4年―高校生を対象に実施したアンケートでは、回答した167人の約32%(53人)が「ヤングケアラーという言葉を聞いたことがない」と答えたという。

一見知事は会見で「まずはヤングケアラーについて多くの人に知ってもらう必要がある。相談に乗っていくことも大事。子どもたちの希望に寄り添いながら対応していきたい」と述べた。