復元竪穴住居のかやぶき屋根ふき替え 隠岡遺跡公園、職人手がける 伊勢・三重

【かやのふき替えを完了し真新しい姿の竪穴住居=伊勢市倭町の隠岡遺跡公園で】

【伊勢】三重県伊勢市倭町の隠岡(かくれがおか)遺跡公園で、復元された竪穴住居のかやぶき屋根のふき替え工事が完了し、このほどお披露目された。

復元竪穴住居は、縦6・9メートル、横6・6メートル、高さ4・3メートル。壁はなく、木や竹で組んだ屋根にかやをふいている。屋根は、一昨年の台風による損傷や経年劣化のため、昨年11月から、県内の職人の手でふき替えが進められていた。工事費は、496万9800円。

隠岡遺跡は昭和58年、市営住宅建設に伴う事前調査として発掘調査が行われ、弥生時代後期の竪穴住居22棟や排水路、平安時代の掘立柱(ほったてばしら)建物九棟などが見つかった。宮川右岸の市街地で、弥生時代の集落跡として初めて発見された貴重な遺構とされ、伊勢神宮が創建された時期を考察する上で注目された。市が平成3年に公園として整備し、敷地内には、復元された竪穴住居1棟と、掘立柱建物跡2カ所がある。

市文化政策課学芸員の山本翔麻さん(30)は「遺跡のことを知ってもらい、地域学習の場として生かしてほしい。来年完成予定の郷土資料館と連動し、より多くの人に見学してもらえるようにしたい」と話していた。