2025年2月2日(日)

▼のど元過ぎれば熱さ忘れる―とは、県職員の不祥事のたびにこの欄で何度書いたことか。女子児童にわいせつな行為をした男性主幹兼課長代理と、無断で上司の印鑑を使って決裁文書を偽造した主査級の男性職員が懲戒処分を受けた。わいせつ行為は救いようがないとして、印鑑の無断使用は何度問題になり、その都度厳格管理の再発防止策がうたわれてきたことか

▼大きな問題に発展したのがカラ出張である。30年前の阪神淡路大震災で、交通網が遮断されているのに監査委員事務局職員が九州へ出張していることになっていて、県を揺るがすカラ出張発覚の端緒になった。臨時職員が所属長らの印鑑を管理していて、カラ出張の伝票に適当に日付を書いて申請していたという

▼臨時職員が架空の契約書を作成して業者に渡し、大問題になったこともあった。業者の担当が知人で、自分の力を見せようとして契約書のひな形をパソコンでだし、ほかの書類に混ぜて公印を取得したという。上司の机の中から印鑑を無断で使用するのはしばしば見られ、問題が起こるたびにカギをかけるなどの管理徹底がうながされた

▼東京事務所の男性職員は昨年8月、職員公舎の契約更新に関する文書に、上司の決裁を受けないまま所長印を押して発送したという。「期限が迫っていた」「上司に怒られると思った」などと釈明しているという。要は、個人の都合で所長印などは今も連綿として無断で手軽に押せるということだろう

▼一向に減らない文書ミスの温床は、ここらにあるのかもしれない。