未利用魚食べて磯焼け問題学ぶ 百五銀行食堂で「アイゴ」提供 三重

【アイゴフライを食べる行員=百五銀行丸之内本部棟で】

百五銀行は22日、三重県津市丸之内の同行丸之内本部棟食堂でサステナビリティ(持続可能性)活動の一環として、未利用魚を活用した「アイゴフライ」を昼食メニューとして提供した。

全国的に海水温の上昇やアイゴなどの植食性魚類などによる食害で海藻の群落が減少する「磯焼け」が問題となっている。県では磯焼けの主要な原因の一つである植食性魚類を捕獲し、食用として利用することで藻場の保全や資源の有効活用に取り組みを進めている。

百五銀行では海洋保全や一次産業振興を目的に、県フードイノベーション課や鳥羽磯部漁業協同組合などと連携して、鳥羽市の答志島で捕れた「アイゴ」をフライにし、昼食のメニューとして提供。この日用意された150食の「アイゴフライ」は午後1時前に完売した。

食堂の各テーブルにはアイゴによる食害や藻場が減少していることなどを説明する三角ポップが設置され、行員らは興味深そうに「アイゴフライ」を食べていた。

【講演をする鳥羽磯部漁協の小野里統括=津市丸之内の百五銀行丸之内本部棟で】

食堂の一角では、鳥羽磯部漁業協同組合の小野里伸戦略企画室事業部門統括兼室長が「海で起きている課題」について講演。食事を終えた行員が集まり、藻場が著しく減少する磯焼けの仕組みや、黒潮の大蛇行の影響により植食性魚類の動きが活発化していることなどを学んでいた。

同行の渡邉康人広報SDGs推進室長は「地域に根ざす銀行として、行員にも海で起きている現実を知ってほしいと思い企画した。今後もこういったサスティナビリティの取り組みを拡大していきたい」と話した。