贈賄側の男、起訴内容認める 社会福祉法人巡る汚職で津地裁初公判 三重

三重県鈴鹿市の社会福祉法人「かがやき福祉会」を巡る贈収賄事件で、当時の理事長らに現金を渡したなどとして、社会福祉法違反と業務上横領の罪に問われた贈賄側の無職迫丸卓哉被告(44)=東京都中央区=の初公判が24日、津地裁(西前征志裁判官)であり、迫丸被告は起訴内容を認めた。

起訴状などによると、迫丸被告は金田充史被告(53)=同罪で起訴=と共謀し、令和4年2月、法人役員らの変更を当時の理事長、四宮慶太郎被告(58)=社会福祉法違反で起訴=に依頼。四宮被告らに現金計3500万円を渡したなどとされる。

検察側は冒頭陳述で、「迫丸被告は警視庁を辞め、令和3年ごろから高校と大学の先輩である金田被告の下で働くようになり、金田被告から法人の理事長になるよう指示された」と説明した。

その上で「四宮被告らに3500万円を支払い、理事会を開催せずに理事長に就任した」と強調。「理事長在任中、金田被告の指示で法人の口座から500万円を横領した」と指摘した。

弁護側は「迫丸被告は金田被告の指示で理事長に就任し、金田被告が法人を実質的に経営するなど、従属的な立場だった」と述べ、執行猶予付きの判決が相当と主張した。

迫丸被告は金田被告とともに社会福祉法人「誠心会」(静岡市)の資金を横領したなどとして、今年8月、静岡地裁から執行猶予付きの有罪判決を受け、確定している。