
【亀山】三重県亀山市は3日、世界的パティシエの青木定治氏(56)=パリ在住=を市文化大使に任命した。市役所で委嘱式があり、櫻井義之市長が青木氏に委嘱状を渡した。同氏が自治体などの文化大使になるのは初めて。期間は同日から3年間。
文化大使は、市の文化振興を目的に、市の魅力や良さを国内外に発信し、市のイメージアップとPRを図る。平成25年度から、同市出身や市にゆかりのある文学や芸術、スポーツ、芸能など文化的分野で活躍している9人を文化大使に任命しており、同氏が10人目。

青木氏は、菓子の本場パリに拠点を置く「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のシェフパティシエ。日本人として世界で最も注目されているパティシエの一人。パリに5店舗、首都圏で9店舗展開している。
令和4年から、市のブランド認定商品「亀山茶」を材料にショコラを考案し、ジェイアール名古屋タカシマヤに世界中のショコラが集う祭典「アムール・デュ・ショコラ」で販売するなど亀山茶のPRに貢献している。
青木氏は「亀山の自然や風土、気候、土壌は素晴らしい」といい、「農業文化に力を注ぎ、お茶はもちろん亀山産の果物や農産物にも取り組み、自分の得意とするショコラで亀山を世界に発信していきたい」と抱負を語った。
櫻井市長は「青木さんとのご縁により、文化大使を引き受けていただいたことに感激している。青木さんの力を借り、市をアピールするシティプロモーションにつなげたい」と話した。
また、同日青木氏は、同市田村町の市立中部中学校を訪れ、同校3年生217人を対象に、「育った自分のまちを知る」と題して講演した。「若いうちに、外国に出向き、その国の文化や知識などを知ることで、自分のまちを知る。いろんな経験が今後の自分の生き方の財産になる」と促した。