「南伊勢町地域医療ネット」設置 町立病院と南島MCが連携、一体的な運営体制構築へ 三重

【「南伊勢町地域医療ネット」の設置式に出席した(左から)山添院長、上村町長、庄山理事長、宮﨑院長=南伊勢町慥柄浦の南島メディカルセンターで】

【度会郡】三重県南伊勢町船越の町立南伊勢病院と同町慥柄浦の南島メディカルセンター(MC)はこのほど、両者の一体的な運営体制を構築する連携拠点として、「南伊勢町地域医療ネット」を設置した。町立病院を基幹病院とし、代表は同院の山添尚久院長、副代表は同MCの宮﨑光一院長が務める。

設置は、町民に必要な医療サービスを継続して提供するのが目的。両者の連携をこれまで以上に深め、町内の人口減少や高齢化、医師・看護師の慢性的な不足などの課題にも対応していく。

町内で入院できる施設は両医療機関のみ。町立病院は50床で、常勤医師が4人、看護師32人。同MCは15床で、併設する介護老人保健施設は29床。町が設置し、県厚生農業協同組合連合会(JA三重厚生連)が指定管理者となって運営している。常勤医師は1人、看護師は25人。

町と同厚生連は、令和3年9月に包括連携協定を締結。医師・看護師の人材相互派遣や電子カルテの共有、職員合同研修などを通じて交流や連携を深めてきた。

同MCで1日、設置式があり、上村久仁町長や同厚生連の庄山隆裕理事長、山添院長、宮﨑院長らが出席した。

上村町長は「地域医療の現状は厳しいが、どう存続させていくか考えながら進めていきたい」と述べた。山添院長は「2つの医療機関が一体となって数々の課題を乗り越え、町の地域医療を守っていきたい。今後は遠隔診療にもチャレンジしたい」と話した。