裏金問題への批判続出 自民幹部ら県連と車座対話 「信頼回復せず」「処分甘い」

【自民党県連の役員から裏金問題への意見を聞き取る金子本部長(右から2人目)ら=津市桜橋2丁目で】

自民党の金子恭之組織運動本部長と山際大志郎同本部長代理が22日、三重県津市桜橋2丁目の党県連を訪れ、派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題について、県連の役員や党員から意見を聞き取った。出席者らは「信頼回復には到底至っていない」などと批判。関与した議員に対する処分の甘さを指摘する声も上がった。

県連によると、裏金問題を受けて党幹部らが現場の声を聞く「政治刷新車座対話」として実施。県連の役員を務める9人の県議らと意見交換した後、13人の党員・有権者とも対話した。

「情報公開の徹底が必要」(中嶋年規県連幹事長)との考えから、全て報道陣に公開した。フルオープンでの開催は初という。信頼回復に向けた県連の姿勢を示す狙いがあるとみられる。

金子氏は冒頭のあいさつで「大きな政治不信を招いたことを、執行部の一人として深くおわびする」と陳謝。「処分で終わりにはせず、党と政治の改革に不断の努力をしたい」と述べた。

議員への処分で「500万円」を線引きにした党の方針に対し、県連役員と党員の双方から「いかがなものか」との批判が上がった。処分が甘いと指摘し、厳正な処罰を求める声もあった。

野口正組織委員長は、支持者から「今の自民党では駄目」「次の選挙では投票できない」との声を受けたと説明。小林正人総務会長は「国民の信頼回復には到底至っていない」と訴えた。

青木謙順副会長は、使途の報告義務がない調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の見直しを要請。「政務活動費の使途を1円単位まで報告する県議会からは程遠い」と指摘した。

このほか、党員からは「国会議員はそれほどカネが必要なのか」「裏金は脱税だ」と厳しい意見も。「謙虚だった政権奪還時の党に立ち返り、一から出直してほしい」との訴えもあった。

金子氏は「皆さんの意見をしっかり受け止めて対応する」と説明。支持者からの批判は「自覚している」とし、今後の選挙は「下野した時以上に厳しくなる」との声があることも紹介した。