山商、2季連続優勝逃す 完投目前、田中崩れる

【山商―津田学園 七回裏2死一、二塁 山商先発田中の二塁けん制球で主将の伊藤遊撃手(右)が、津田学園の二走伊藤柊(左)をタッチアウト=津球場で】

昨年秋、16年ぶりの三重県大会優勝を果たして、16年ぶりの今春のセンバツで16強に進出した宇治山田商。春の県大会準決勝で北地区予選1位校の津田学園に九回、1点差をひっくり返され、2季連続の優勝を逃した。

中継ぎで甲子園のマウンドに2度上った3年生右腕田中が先発のマウンドへ。「夏を考えて長いイニングを放らせたい」と話す村田監督の期待に応え、八回まで4安打2失点の粘投を見せたが、初完投勝利目前の九回、先頭打者を四球で出してから連打を浴び、暴投で決勝点を献上した。

「最終回であることを意識しすぎてしまった。八回までの今まで通りのピッチングができなかった」と悔やむ右腕を遊撃手の伊藤キャプテンは「自分らで取った点がほとんどなかった。野手陣は投手を助けられると良かった」とかばった。

試合後、選手らは夏に向けた再出発を誓った。七回裏2死一、二塁、けん制で二走を刺すなど堅守でチームを支えた主将は「来週も試合(3位決定戦)があるのでそこを勝ちたい。公式戦の緊張感で、課題を見つけたい」と前を向いた。