2024年4月21日(日)

▼志摩市磯部町のテーマパーク「志摩スペイン村」が22日に開業30周年を迎える。20日から26日までを「30周年アニバーサリーウィーク」とし、さまざまなキャンペーンやイベントを実施して祝う。ご同慶の至り

▼同村開業については各節あり、歴史をたどると古くなるが、セゾングループの「志摩芸術村構想」発表が直接のきっかけだ。路線長が最も長く“近鉄王国”とされる近鉄を差し置いて西武グループが志摩半島にテーマパーク構想を打ち出したことで近鉄のメンツが問われた

▼当時の知事が近鉄本社に乗り込んで対応を求め、博覧会設置への協力が約束された。その後の県スペイン協会設立やバルセロナ五輪、セビリア万博などでスペインブームが到来し、県とスペイン・バレンシア州との姉妹提携もあり、世界祝祭博覧会(平成6年)をめざし、スペインをテーマにした構想が具体的に描かれた

▼しかし、同博以降の志摩スペイン村は、バブル崩壊が近鉄本社を直撃し、厳しい運営が続いた。OSK歌劇団、大阪近鉄バファローズを相次いで営業譲渡。志摩スペイン村も規模が縮小され、風前のともしびに見えたが、堪え忍ぶことで乗り切ったようだ。全体の規模が小さかったことも幸いしたのかも知れない

▼30周年だからといって特別に派手な企画はないようではあるが、通過点と考えれば、それも当然だろう。が、総合リゾート構想「サンベルトゾーン」や世界祝祭博覧会、バブルの直撃などの幾山河を経て、よくぞ30年を持ちこたえたという気はする。