伊勢和紙使いアート クリエイター5人が作品展 三重

【伊勢和紙を使ったアート作品が並ぶ会場=伊勢市の伊勢和紙ギャラリーで】

【伊勢】三重県中南部を中心に活動する写真家やグラフィックデザイナーでつくる「クリエイターズ協会」の伊勢和紙を使った作品展「ワシらの和紙展」が、伊勢市の大豊和紙工業伊勢和紙ギャラリーで開かれている。21日まで。

同協会は、1984(昭和59)年、県内初のクリエイター団体として設立した。展覧会やアートイベントなどを企画し、地域の文化芸術の振興に向け活動。12月に40周年を迎える。作品展の開催は、コロナ禍で5年ぶりとなった。

伊勢と松阪市の写真家やグラフィックデザイナー、看板クリエイターの5人が、原料やすき方が異なる伊勢和紙にアート作品をプリントした46点を出展。

環境や海洋ごみ問題へのメッセージを込めた海辺の写真、世界で続く紛争や内戦の現実と平和への思いを表現したグラフィックアートなど個性的な作品が並ぶ。月夜の夫婦岩や、国登録有形文化財の鉄道遺構「旧北陸本線トンネル郡」を写した幻想的な作品も目を引く。

事務局長のグラフィックデザイナー花井利彦さん(69)は「優しい風合いの伊勢和紙に、異彩を放つ5人のクリエイターが表現した。一種独特な世界を楽しんでほしい」と話していた。