司馬江漢の「二見浦図」を指定 鈴鹿市有形文化財 三重

【新たに市有形文化財に指定された「二見浦図」(鈴鹿市提供)】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市は12日、新たに市有形文化財として、同市神戸二丁目の神館飯野高市本多神社(鈴木信大宮司)が所有する江戸時代後期に活躍した洋画家、司馬江漢(1747―1818年)の絵画「二見浦図」(1788―1789年製作)一点を指定したと発表した。

元々浮世絵師だったという司馬江漢は、西洋の絵画に興味を持ち、日本で初めて油絵を描いた。新たに指定を受けた「二見浦図」は最初期の油彩風景画で、神戸藩本多家から神社に奉納されたとみられる。

和紙の上に油性絵の具で着色した作品で縦45・6センチ、横90・6センチの大きさ。本体の一部に500円玉大程度の破損がある。

現存する三点のうちの一点で「保存状況は悪いが、希少価値が高い」として市文化財調査会からの答申を受け、市教育委員会が3月21日に指定した。

今後修復が必要なため、市が管理し、7月15日まで同市若松中一丁目の大黒屋光太夫記念館で展示する。

今回の指定により、市の指定文化財103件になった。