注目は神村伊賀の寺井主将 春季東海地区高校野球三重県大会、左の長距離砲

【春の県大会を控えバットを振り込む寺井広大(神村伊賀)】

13日開幕の第71回春季東海地区高校野球三重県大会(伊勢新聞社後援)の注目選手の1人が、神村学園高等部伊賀(伊賀市)3年の寺井広大主将だ。184センチ、90キロの恵まれた体格の左の長距離砲。1年から打線の中心として活躍。県大会3位で創部4年目で初の東海大会出場を果たした昨年秋シーズンの躍進の原動力となった。

高校通算本塁打数は練習試合を含めて19本。そのうち多くが公式戦という勝負強さも持ち味だ。今年、春先に腰を痛めて一時チームから離れた時期もあったが、計4試合が行われた中地区予選では2打席連続を含む3本の本塁打を記録し、地区予選3位通過に貢献している。

滋賀県東近江市出身。中学硬式野球チームの先輩が在籍した縁で神村学園高等部伊賀に進んだ。慣れない寮生活で体重が一時10キロ落ちた高校1年目は「2、3本」だった本塁打だが、増量と器具を使ったトレーニングに励んで2年目で10本以上を記録。注目度も上がり、これまでプロ野球6球団が視察に訪れている。

県内4強入りを果たした2022年の1年生大会でのリーダーシップを評価されて野球部の主将を任されたことで、仲間も「大人になった」と認めるほど精神面も成長。昨年秋初めて、県高野連が招集した三重県ピックアップチームで中軸打者を務めたほか、県下トップレベルの選手と交流を深めたことも大きな刺激になった。

記録づくめのシーズンだった昨年秋だが、東海大会初戦で、愛知2位の豊川に0―7の七回コールドで大敗したことが一番印象的だったと話す。「思った以上に雰囲気にのまれた。普段の力が出せなかった」と悔しがり、開幕が迫った春の県大会も「皆で勝ち上がってまずは東海大会に出場し、秋のリベンジがしたい」と意気込んでいる。