三重県内国宝、7件に 埴輪は全国で3件

【松阪】国宝は「重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝」(文化財保護法)とされる。宝塚一号墳出土埴輪(はにわ)は、三重県内では平成29年の専修寺御影堂・如来堂(津市一身田町)以来7年ぶり、7件目の国宝となる。

専修寺が所有する親鸞筆の「西方指南抄」と「三帖和讃」は昭和28年に国宝になっている。

県内初の国宝は昭和26年に指定された伊勢神宮(伊勢市宇治館町)の「玉篇」。中国の6世紀の漢字字典で本国には残っていない。伊勢神宮の神官が造営した同市朝熊町の朝熊山経ケ峯経塚からの出土品が同38年に国宝になった。

国宝の前提となる重要文化財は歴史上、芸術上、学術上価値の高い有形文化財の中から指定される。美術品としての価値が求められ、素焼き土器の埴輪は国宝指定が少ない。今回が3件目となる。

初めて国宝に指定された古墳時代の埴輪は、群馬県太田市の神社境内から見つかり東京国立博物館が保管する武人埴輪。令和2年に群馬県高崎市の綿貫観音山古墳から出土した「三人童女」などの埴輪群が国宝となった。文化庁が所有する。

宝塚一号墳出土埴輪は松阪市文化財センター(同市外五曲町)が所有する。地方自治体が所有する文化財の国宝指定は県内初、地方自治体が所有する埴輪の国宝指定は全国初となる。