障害者の避難方法学ぶ 鳥羽のホテル、従業員ら車椅子介助体験 三重

【伊勢志摩バリアフリーツアーセンターのスタッフ(右)から車椅子の介助を教わる参加者ら=鳥羽市安楽島町の鳥羽ビューホテル花真珠で(同ホテル提供)】

【鳥羽】三重県鳥羽市安楽島町の鳥羽ビューホテル花真珠でこのほど、バリアフリー接遇研修があり、従業員らが障害のある人への対応や災害時に安全に避難させる方法を学んだ。

同市ではユニバーサル観光意識向上観光事業の取り組みとして、NPO法人「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」が市の委託を受け、宿泊施設や観光事業所などで同研修を開いている。

今回は1月に発生した能登半島地震を受け、配慮が必要な人への対応や避難誘導のスキルアップを図る目的で実施。同ホテルは令和2年に館内に車椅子対応トイレを新設し、観光庁の「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定を受けるなど、バリアフリーのおもてなしに取り組んでおり、従業員15人が研修に参加した。

この日は、同センターの中村千枝さん(60)らが講師を務め、視覚や聴覚などさまざまな障害の特性や対応方法を説明した。

参加者らは、緊急時の避難を想定した車椅子の介助や視覚障害者への手引きなどを実際に体験しながら学び、エレベーターが使えなくなった場合に、車椅子に人を乗せたまま4人で持ち上げて階段を降りる方法も実践した。

参加した岩見桃菜さん(23)は「実際に旅館内で車椅子の基本的な使い方や動かし方を教わり、自分自身も車椅子に乗ってみることで、どういう配慮をするべきか身をもって学ぶことができた」、中村さんは「バリアフリーを特別なものと考えず、日頃のおもてなしの延長線と考えてもらえれば。研修を通じて自分で判断して対応できる力を養ってもらいたい」と話した。