信綱直筆の掛け軸、色紙 鈴鹿の記念館で特別展

【「歌人としての信綱」を紹介する資料の数々=鈴鹿市石薬師町の佐佐木信綱記念館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市はこのほど、石薬師町の佐佐木信綱記念館で、特別展「歌のこころ・信綱のこころ」を開き、歌集や信綱直筆の掛け軸、色紙など同館所蔵の資料約40点を展示した。17日まで。

佐佐木信綱(1872―1963年)は同町出身の歌人、国文学者。

展示は「歌人としての信綱」に焦点を当て、時代別に三つに分けて紹介。それぞれの時期に発表した歌集をもとに、信綱が伝えたかった「歌のこころ」を探るほか、歌集の序文に込めた思いや歌集刊行までの出来事、代表歌などを通して短歌に込めた「信綱のこころ」について考える。

初展示となる戦時中に詠んだとみられる自筆色紙や横約1・2メートル、縦約2・5メートルの大型掛け軸に書いた大正4年の作品など、貴重な資料の数々が並ぶ。

市文化財課の学芸員田中里美さんは「歌人としての信綱を知ってもらうことで、短歌を身近に感じてもらえれば」と話した。