災害への心構え伝える 鈴鹿、東日本被災の紺野さん 三重

【紺野さんの話を聞く参加者ら=鈴鹿市南玉垣町の鈴鹿医療科学大学白子キャンパスで】

【鈴鹿】三重県津市羽所町の生活協同組合コープみえ(鈴木稔彦理事長)は2日、鈴鹿市南玉垣町の鈴鹿医療科学大学白子キャンパスで、防災学習会「くらしあんしん講座」を開き、中学1年生の時に東日本大震災を経験し、現在は同震災の語り部として活動する会社員、紺野堅太さん(26)=名古屋市在住=が、災害への心構えなどについて話した。

紺野さんは津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市出身。津波が迫る中、鵜住居地区の公立小中学校の児童生徒らが集団で避難し、全員無事だった「釜石の奇跡」の当事者の1人。

紺野さんは、避難時の状況や自身の心境など、当時を振り返り「大切な命を守るために、いざという時にどのように動けばいいのか備えておくことが大事。急には動けない」と話した。そのために必要なこととして、地域のハザードマップを理解することや避難訓練の重要性を挙げながら「どちらも絶対的なものではないので、一つの基準として利用して。過信しすぎてもいけない」と話した。

オンライン参加の13人を含め、約50人が聴講。会場で熱心に話を聞いていた同市磯山2丁目の民生委員、佐藤初美さん(72)は「改めて今日から備えていこうと勉強になった。学んだことを地域の人たちにも伝えていく」と話していた。