「病院に避難者、カオス」 能登地震派遣チームが報告会 松阪中央総合病院・三重

【松阪中央総合病院のDMAT活動報告会=松阪市川井町で】

【松阪】三重県の松阪中央総合病院(田端正己院長)が能登半島地震で派遣したDMAT(災害派遣医療チーム)の活動報告会が2日、松阪市川井町の同院であった。

同病院DMATは発災翌日から現地入りし、2月17日まで計7隊を送り出し、県内最多の出動回数となった。災害支援ナースを含め約30人が派遣された。

報告会には同病院の職員や看護学生ら約50人が参加。派遣順にメンバーが災害現場での取り組みを振り返った。

1月2日に石川県に入った第1班は市立輪島病院を支援するミッションを与えられ、崩壊した道路を避けたどり着いたが、「病院に避難者もいてカオス。水が流れないので、手術や人工透析はできない。通常の医療活動ができない。患者を金沢に搬送した」と報告。移動中に撮影した崩れて危険な道路の動画を示しながら説明した。

次の第2班は「悪路で夜間搬送は危険。ネットが全くつながらず、道路封鎖の情報がない。予想外のことが起こってくる」「行政の通行規制が強くなって時間がかからなくなった」と語った。

冒頭、谷川高士副院長は「救急、災害の拠点病院として、いかに乗り切っていくか考えたい」と呼びかけ、最後に救急科の谷口健太郎氏が「能登半島地震にて見えたわが県および当院の課題」をテーマにまとめた。