首から上が白いシカ 津の前川さん、榊原で遭遇 三重

【前川さんが遭遇した首から上が白いシカ(前川さん提供)】

【津】三重県津市久居万町の前川幸介さん(82)が、同市榊原町の山中で首から上が白いシカに遭遇した。前川さんは約60年地元猟友会で活動した元猟師で「何百匹と捕ってきたが白いシカは初めて」と驚いている。

白いシカとの遭遇は今月10日頃。前川さんは生家が榊原町にあり、農作業後に散策していた山中で見かけた。慌てて車を止めスマートフォンのカメラで撮影する間、シカはじっとこちらを見て静かに去ったという。

県総合博物館の田村香里学芸員によると写真のシカは「全身白色ではなく茶色の毛色も確認できるので、白変種のメスのニホンジカ」。白変種はどんな動物にも見られ、タヌキ、アナグマ、カラスなどが話題になるが、「野生動物が人の目に触れる機会はそう多くないのでシカは珍しい」という。

前川さんは一昨年に狩猟免許を返却し猟銃を手放しており、今回の遭遇に「長年猟をしてきて無事に過ごさせてもらったと改めて感じた。自分を守ってくれるような気がして写真を持ち歩いている」と話している。