「人口減少社会へ対応を」 三谷三重県議、県に要請 県議会代表質問

【右から三谷哲央議員と、津田健児議員】

三重県議会は27日、三谷哲央(新政みえ、8期、桑名市・桑名郡選出)、津田健児(自民党、6期、四日市市)の2議員が代表質問した。県が「最重要課題」に挙げる人口減少対策について、三谷議員は「地方の人口減少は、もはや不可避」と指摘し、人口減少社会に対応するための施策にかじを切るよう要請。一見勝之知事は「人口減を緩やかにできる方法を考えたい」などとして理解を求めた。

人材確保施策、即効性を

三谷哲央議員(新政みえ)
「人材確保は待ったなしの課題」とし、産業の特性に応じた即効性のある施策を展開するよう求めた。一見知事は新たな労働力の確保や生産性向上の支援などに取り組む考えを示した。

【人口減】
三谷議員 地方の人口減を食い止めることはできない。東京一極集中が解消されることはないだろう。そろそろ地方創生の幻想から離れ、人口減少社会への対応に本腰を入れるべきだが、知事の考えは。

知事 子育てしやすい環境の整備など、地に足の付いた施策を展開する必要がある。東京から少しでも戻ってきてもらえるようにしたい。人口が増えることはないと思うが、市町を支援しながら人口減を緩やかにできる方法を考える。

【人材確保】
三谷議員 人材確保は待ったなしの課題。技術者の移住支援や職業訓練の充実など、即効性のある施策が必要。南北に長く、地域によって特性が違う県内の状況を踏まえた実効性のある政策展開が求められる。

知事 地域によって確保したい人材が変わるため、きめ細かな対応が必要。経済規模を下げないためには、生産性の向上に加え、高齢者や家庭にいた女性、外国人などの新たな労働力が求められる。地域の声を聞いて対策を考えたい。

引きこもり、民間委託を

津田 健児議員(自民党)
引きこもりの当事者らを支援する県ひきこもり地域支援センターについて、民間委託を検討するよう要請。県当局は民間委託も含めて「より良い運営方法」を検討する考えを示した。

【当初予算】
津田議員 一見知事が当初予算を編成するのは3回目。知事色がだいぶ出てきて魂が込められていると思う。児童虐待対応の強化やフリースクールに通う子どもたちへの支援が盛り込まれたが、知事の考えは。

知事 予算は私が信じることを盛り込み、ふるさとの三重を良くするための重要なツールだと考えている。行政の一丁目一番地は命を守ること。今回の予算では、県民の未来につながる子どもたちを守ることを一番にさせてもらった。

【引きこもり支援】
津田議員 県ひきこもり地域支援センターは努力をしているが、相談件数を見ると、運営を民間に委託している県との差は歴然。民間委託では経験や思い入れがある人が担っているからだと思うが、県の見解は。

小倉医療保健部長 専門職を増員するなどして体制の強化を図っているが、まだ十分ではない。当事者や家族にとって相談しやすい窓口が求められている。他県の状況も参考にしながら、民間委託も含めてより良い運営方法を検討する。