自慢できる志摩市実現へ 新年度当初予算案、一般会計269億3000万円 三重

【当初予算案を発表する橋爪市長=志摩市役所で】

【志摩】三重県の志摩市は22日、令和6年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比1・8%増の269億3441万円で、新市合併以降では過去2番目の予算規模。28日開会の市議会定例会に提出する。

橋爪政吉市長は「あたりまえにありがとう 志摩の魅力は十人十色予算」と名付け、「志摩市は20周年の節目の年を迎える。当たり前にあったこれまでの志摩市に心から感謝し、これからも自慢できる魅力あふれる志摩市の実現に向けて、市民の皆さんと共にまい進していきたいという思いを込めた」と説明した。

第二次総合計画に向けた五つの重点項目として、命を守る防災・減災対策のさらなる加速▽人口減少・少子化対策の本格化▽スタートアップの推進と新たな産業構造への転換▽誰もが安心して暮らせる地域づくりの強化▽自慢できる新しい志摩市の実現|を掲げた。

歳入は、市税が前年度比2%増の57億231万円。地方交付税は4・8%減の83億円。市債発行は22・9%減の20億7010万円で、六年度末の市債残高は194億4446万円となる見込み。

歳出は、人件費が4・2%増の63億7985万円、扶助費は1・4%増の36億2431万円。投資的経費は37・2%減の18億9391万円とした。

能登半島地震で被災地支援に携わった市職員や市内事業者の体験を基に、救助用重機やトイレの不足などの課題に取り組み大規模災害に備えるため、防災・減災対策や地域防災力の強化を図る。

災害時のトイレ不足解消に向け、水洗トイレや給水タンク、汚水タンクを備えたトイレトラック1台の購入事業に2964万円を計上。災害時に移動設置型トイレを相互派遣できる「災害派遣トイレネットワークプロジェクト」に県内市町で初めて参加する。掘削や解体作業が可能な消防活動・災害救助用重機の購入事業に995万円を盛り込んだ。

クラウドの活用や独自の生成AI(人工知能)実用化に向け、世界的なインターネット検索サービスを提供する企業と連携して生成AI活用実証実験を行う庁内デジタル化推進事業に4024万円を計上し、最先端デジタル技術で市民サービス向上を目指す。今年10月に市制20周年を迎えるにあたり、18の記念事業に5228万円を盛った。

主な新事業は次の通り。

消防活動高度化推進事業1099万円▽避難所環境整備事業1004万円▽防災行政無線更新整備事業660万円▽災害時監視体制整備事業1727万円▽未来人材奨学金応援補助金400万円▽市内高校下宿支援事業450万円▽地域デジタル化促進事業2410万円▽地域スポーツ推進事業1166万円▽地域拠点づくり事業191万円▽介護老人保健施設大規模改修事業8596万円▽全国豊かな海づくり大会推進事業287万円。