中勢鉄道実物大模型 撤去前にイベント 24日が最後の公開

【撤去を前にヘッドマークなどで飾り付けた実物大模型=津市一志町の旧大井小学校1階で】

【津】明治―昭和初期に旧津市から旧一志郡を走った軽便鉄道「中勢鉄道」。津市一志町の旧大井小1階に置かれていた段ボール製の実物大模型が今月いっぱいで撤去されるのを前に17日、公開イベントがあり、愛好家らが訪れた。24日午後1時―同4時に最後の公開がある。

同模型は天理大学付属天理参考館が昨春の企画展に合わせ製作・展示した軌道自動車(ガソリンカー)。中勢鉄道の廃線跡を巡る講座をした縁で大井公民館に譲渡が決まり、参考館の協力で中勢鉄道仕様に作り替えて11月の文化祭で公開した。その後は地元の児童・生徒の見学を受け入れるなどしてこれまでに500人以上が訪れた。

当初からの設置の期限が迫り、講座講師の伊勢野久好さん(67)の発案で最後のイベントを計画。松阪レイルモデルクラブの岡野徳之さん(49)=松阪市=が協力し「ありがとう中勢鐵道」のヘッドマークやモールなどで飾り付けた。

会場で岡野さん制作の特製記念硬券の発行体験があり、訪れた親子が日付を印字し改札鋏(きょう)で切れ込みを入れた。24日にも先着50人で実施する。

【特製記念硬券をケースから取り出す来場者(中)ら=津市一志町の旧大井小1階で】

伊勢野講師は「当時を知る人や県外のマニアなど驚くほど反響があった。廃線の昭和18年は戦時中だったので、81年越しのさよなら列車として感謝したい」と話している。