大観小観 2024年2月6日(火)

▼津市の修成地区自治会連合会が、市指定避難所のセントヨゼフ女子学園体育館で感染症禍における避難所運営訓練をした。亀山市では、市社会福祉協議会が市社会福祉センターで、市災害ボランティアセンター設置・運営の訓練

▼同市社協の楳谷英一会長が「能登半島地震の早期復興を願う」として「ボランティアセンターは被災者に寄り添う役割。訓練を通じて、ボランティアの皆さんがスムーズに活動できる体制を確認してください」とあいさつ。能登半島地震被災地が宿泊施設の不足などでボランティア受け入れが大きく制限されている実情を意識した発言だろう

▼津市の訓練も、能登半島地震被災地の避難所で感染症の危険が高まっていることを受けた対応に違いない。修成地区自治会連が東日本大震災以降、セントヨゼフ女子学園と連携して全体避難訓練や防災リーダー研修会に積極的に取り組んできたが、大規模な避難所運営訓練は今回が初めてという。能登半島地震からの教訓を学ぼうという意識がうかがえる

▼高齢者、ペット連れ、けが人、視覚障害者、外国人などを想定した避難者対応で、外国人向けの翻訳アプリが思うように使えず苦労したらしい。ネットに頼らない翻訳機や、避難所ルールは英語、ポルトガル語、中国語での紙表記の必要を共有したという

▼能登半島地震以降、県が実施した避難所訓練は名張市と共同の1月21日の「外国人避難者受け入れ」だが、被災情報の変化が早く、翻訳が間に合わなかった。教訓の共有をまず徹底しなければなるまい。