能登地震「他人事でない」 被災地派遣の伊勢市職員が報告 三重

【被災地での活動を報告する職員ら=伊勢市役所で】

【伊勢】能登半島地震の被災地支援で石川県に派遣された三重県伊勢市の職員が1日、市役所で鈴木健一市長らに、現地の被災状況や活動内容を報告した。

市からは、1月2日―2月1日までに、延べ65人が被災地に派遣され、主に輪島市などで、給水活動や避難所運営、下水道調査などに従事した。

報告会では、活動を終えた10人が発表した。大規火災に見舞われた輪島市の「輪島朝市」の現場で捜索活動にあたった市消防本部の救助隊員金子哉さん(44)は、焼け跡の灰やがれきを丁寧にかき分け捜索したことなどを報告。「まるで空襲を受けた戦場のような焼け野原が広がり、言葉を失った」と振り返り「伊勢の観光地と重なる部分があり、他人事ではない。経験を南海トラフ地震の対応力向上にいかしたい」と述べた。

また、避難所運営にあたった職員は、物資は届いているものの、避難者が希望する物はなかなか届かない状況や、高齢者が多い地域では二次避難が進まない状況などを伝えた。避難者の健康、衛生管理に従事した保健師は「避難者は心的、身体的被害を受けている。避難生活が長期化する中、一人一人のニーズを聞き取り必要な機関につなげることが大切」と報告した。

鈴木市長は「言葉にならない現地の状況を見た。長期にわたり支援が必要になるので、引き続き力添えをお願いしたい」と話した。