連合三重は29日、今年の春闘の方針を発表した。賃上げ要求の目標は、月給で前年より1500円高い１万5000円以上と設定。28年ぶりとなった昨年の高水準を上回る目標となった。
目標の内訳は、賃金カーブ（定期昇給）の維持分が前年と同額の4500円、賃上げ水準（ベースアップ）は1500円高い１万1500円以上と設定。ベースアップの要求は11年連続となる。
また、標準労働者（35歳、勤続17年）の賃金目安は前年比1000円増の27万5000円以上と設定。「地域ミニマム」と呼ばれる最低賃金の水準も、全ての年齢で1000円の上昇を求める。
約２万6000人の労働者に実施した賃金の調査結果などを踏まえ、26日に開いた執行委員会で目標を決めた。長時間労働の是正や雇用の安定、均等・均衡待遇の実現なども掲げた。
番条喜芳会長は記者会見で「昨年は多くの労組が高水準の賃上げを勝ち取ったが、物価の上昇で実質はマイナス。今年は物価上昇分を上回る賃上げを実現しなければならない」と述べた。
また、短時間や派遣などの労働者を含めて「賃上げを社会全体に波及させていく必要がある」と強調。「賃金も物価も経済も上昇させる正念場。未来づくりの春闘を目指す」と語った。
連合三重は今回の方針に基づき、経営者団体や行政などに要請活動を実施する予定。２月23日には、メッセウイング・みえ（津市北河路町）で総決起集会を開き、この方針を確認する。