知事査定ヒアリングを開始 三重県、来年度当初予算の編成に向け

【来年度予算の要求額を聞き取る県幹部ら=県庁で】

来年度当初予算の編成に向けた「知事査定ヒアリング」が18日、三重県庁で始まった。一見勝之知事ら県幹部が22日まで、各部局が要求する予算や事業の内容などを聞き取る。

県によると、予算編成に向けた知事査定の前段階として、毎年この時期に実施。編成過程の透明化を図ることなどを目的として、聞き取りの様子を県のホームページで公開している。

161件(943億3600万円)の事業がヒアリングの対象。フリースクールへの支援や公共事業、宿泊施設の立地に対する補助など、県が来年度に注力する施策を中心に選んだ。

この日は県土整備部、農林水産部、地域連携・交通部、防災対策部、県教委などの要求を聴取。県土整備部は、公共事業の予算が前年度比1割増の879億円に上るとの見通しを報告した。

一見知事は「人件費や材料費が高騰する中で、節約に努めてほしい」と要請。路面標示の塗り直しが進んでいることは評価しつつ「道路の草刈りや河川の掘削を求める声が多い」と伝えた。

また、一見知事はヒアリングに先立つあいさつで「子どもを守り、育てるための施策が重要」と強調。能登半島地震を踏まえて「県民の安全安心を守るインフラの整備も重要」と語った。

各部局は来年度の一般会計当初予算で前年度比3・8%減の8055億円を要求する一方、歳入の見込みは要求額を295億円下回る。県は差額の解消に向けて事業を精査する方針。